モーションは定点の実写ダンス動画をもとに、QuickMagicで抽出したUnity-Animをベースに制作しています。その上で、Very Animation上でカーブ調整とキーフレーム単位の修正を併用し、破綻の修復だけでなく、動きの“間”や重心の残り方まで含めて整えました。あえてキーフレーム削減は行わず、「無駄な動きなんかない」という前提で、生データに含まれる微細な揺れや加減速を保持しました。自動簡略化によって均されやすい身体性を残すことで、既製モーションには出にくい“生感”を優先しています。
ルック面では、全体をクールかつエモーショナルな温度に寄せるため、背景をほぼモノクロに抑えつつ、キャラクター側もACESトーンマッピングを基調に彩度を落とし、硬質な空気感を作りました。ただし、そのままでは顔色が沈みすぎるため、Color Gradingで肌のレンジだけを丁寧に持ち上げ、冷たい世界観の中でも表情の生命感は失わないように調整しています。さらにキャラクターと背景はレイヤー分けした別カメラで描画・合成し、背景は白黒のコントラストを強めながら、キャラクター側は肌色と明部の情報を個別に管理することで、同じフレーム内で「感情の乗る人物」と「温度の低い空間」を両立させました。
カメラワークは、ダンスそのものを見せることを最優先に設計しています。冒頭と終端のみ寄りのカットで感情の入口と出口を作り、それ以外は振付のラインと全身の流れが最も伝わる、ほぼ定点に近い構成に固定しました。そのうえで、Vcam側には距離に応じて追従速度が変化するスムージングを入れ、機械的なカメラの硬さを避けながら、アップ時の見栄えだけが浮かないように制御しています。加えて、顔位置を基準にDepth of Fieldの焦点距離を自動追従させることで、寄りカットでも常に視線が顔へ集まりやすい状態を保っています。
また、キャラクターと背景をカメラ分離した状態では、通常のポストプロセスだけだと足元のアンビエントオクルージョンが破綻しやすいため、元Rendererを複製したAOプロキシを専用レイヤーに生成し、クリップボックス付きで管理する方式を採用しました。これにより、レイヤー分離と合成を維持したまま、接地感に必要なAOだけを安定して残しています。
輪郭の処理については、元マテリアルを直接崩さずにリムライトを加えるため、SkinnedMeshRendererを複製し、わずかに膨張させたオーバーレイメッシュへ加算合成用マテリアルを適用する構成を採用しました。
収録はUnity Recorderをエディタ拡張で自動化し、2160×3840/60fps固定で記録した素材をFFmpegで1080pへ高品質ダウンスケールすることで、エッジとテクスチャの解像感を安定させています。