Logo

セレベスバビルサ

クレジット
Avatar
イラストレーター
デザイナー
セレベスバビルサ-1
シェア

セレベスバビルサ

分類:鯨偶蹄目イノシシ科 シートン大友の百獣画録 第76話「モテ男は命懸け?」  東南アジアから南太平洋にかけて、ウォーレシアと呼ばれる地域があります。アジアとオセアニアの生態系が混ざり合う、変わった動物達の宝庫です。第2話のウンピョウが棲む東南アジアの森も独特ですが、ウォーレシアはさらに独特で、ここでしか見られない動物が数多く暮らしています。その代表格のひとつが、バビルサです。名前を直訳すると「シカブタ」。鼻の上から皮膚を突き破って伸びた、角のような形をした上顎の牙がその名前の由来で、結論から言えば古い系統の種類のイノシシです。  第29話のイノシシは自然研磨されたナイフのような牙で檻すら噛み破り、第73話のセイウチは牙を万能ナイフのように使いこなしていました。バビルサの牙もまた独特ですが、その用途はイノシシやセイウチとは全く違います。この皮膚を突き破って伸びた上顎の牙は雄にしか生えないもので、雄にとっては何よりも重要なものになります。上顎の牙が長い雄ほど、雌にモテるのです。第14話のライオンはタテガミの黒さで、第31話のキリンは喧嘩の強さで、第69話のゾウアザラシは力でハーレムの覇権を争っていました。バビルサの場合は、牙の長さがモテの条件です。  しかし、この牙にはふたつほど弱点があります。ひとつは折れやすい上、一度折れたら再生しないということ。牙が折れてしまった雄は、たちまち雌に見向きもされなくなってしまうのです。第14話のライオンのタテガミは戦いに勝つほど黒くなりましたが、バビルサの牙は一度の不運で永遠に失われる。取り返しがつかないという点では、ライオンのタテガミよりもよほど残酷な仕組みです。そしてもうひとつの弱点は、稀なケースながら、この牙が伸び過ぎて自身の頭や目に突き刺さり、命を落とすことがあるというもの。モテるために必要な牙が、伸びれば伸びるほど自分自身を殺す凶器になり得る。このことからバビルサは、「自身の死を見つめながら生きている動物」と例えられることがあります。  折れたらモテない。しかしモテることを追求すれば、自分の命に関わる。第72話のコアラは「毒を食べること」が生存戦略でしたが、バビルサは「命懸けで牙を伸ばすこと」がモテの条件です。コアラは毒と引き換えに食糧を独り占めし、バビルサは命と引き換えに雌の心を掴む。どちらも命懸けですが、その対価が食事か恋愛かという違いがあります。・・・モテ男でいるためには、牙を伸ばし続けなければならない。しかし伸ばし過ぎれば、自身が死ぬ。バビルサの恋愛事情は、さじ加減というものが難しい世界のようです。
クレジット
Avatar
イラストレーター
デザイナー
シェア
シートン大友の他の作品
画像
作品を見る
マントヒヒ
画像
作品を見る
エゾヒグマ
画像
作品を見る
ミナミシロサイとヒガシクロサイ
foriio

あなたのforiioを無料で作成

fori.io/
セレベスバビルサ-1

セレベスバビルサ

分類:鯨偶蹄目イノシシ科 シートン大友の百獣画録 第76話「モテ男は命懸け?」  東南アジアから南太平洋にかけて、ウォーレシアと呼ばれる地域があります。アジアとオセアニアの生態系が混ざり合う、変わった動物達の宝庫です。第2話のウンピョウが棲む東南アジアの森も独特ですが、ウォーレシアはさらに独特で、ここでしか見られない動物が数多く暮らしています。その代表格のひとつが、バビルサです。名前を直訳すると「シカブタ」。鼻の上から皮膚を突き破って伸びた、角のような形をした上顎の牙がその名前の由来で、結論から言えば古い系統の種類のイノシシです。  第29話のイノシシは自然研磨されたナイフのような牙で檻すら噛み破り、第73話のセイウチは牙を万能ナイフのように使いこなしていました。バビルサの牙もまた独特ですが、その用途はイノシシやセイウチとは全く違います。この皮膚を突き破って伸びた上顎の牙は雄にしか生えないもので、雄にとっては何よりも重要なものになります。上顎の牙が長い雄ほど、雌にモテるのです。第14話のライオンはタテガミの黒さで、第31話のキリンは喧嘩の強さで、第69話のゾウアザラシは力でハーレムの覇権を争っていました。バビルサの場合は、牙の長さがモテの条件です。  しかし、この牙にはふたつほど弱点があります。ひとつは折れやすい上、一度折れたら再生しないということ。牙が折れてしまった雄は、たちまち雌に見向きもされなくなってしまうのです。第14話のライオンのタテガミは戦いに勝つほど黒くなりましたが、バビルサの牙は一度の不運で永遠に失われる。取り返しがつかないという点では、ライオンのタテガミよりもよほど残酷な仕組みです。そしてもうひとつの弱点は、稀なケースながら、この牙が伸び過ぎて自身の頭や目に突き刺さり、命を落とすことがあるというもの。モテるために必要な牙が、伸びれば伸びるほど自分自身を殺す凶器になり得る。このことからバビルサは、「自身の死を見つめながら生きている動物」と例えられることがあります。  折れたらモテない。しかしモテることを追求すれば、自分の命に関わる。第72話のコアラは「毒を食べること」が生存戦略でしたが、バビルサは「命懸けで牙を伸ばすこと」がモテの条件です。コアラは毒と引き換えに食糧を独り占めし、バビルサは命と引き換えに雌の心を掴む。どちらも命懸けですが、その対価が食事か恋愛かという違いがあります。・・・モテ男でいるためには、牙を伸ばし続けなければならない。しかし伸ばし過ぎれば、自身が死ぬ。バビルサの恋愛事情は、さじ加減というものが難しい世界のようです。
クレジット
Avatar
イラストレーター
デザイナー
シェア
シートン大友の他の作品
画像
作品を見る
マントヒヒ
画像
作品を見る
エゾヒグマ
画像
作品を見る
ミナミシロサイとヒガシクロサイ
foriio

あなたのforiioを無料で作成

fori.io/