宮城県のド田舎で育った私にとって、一面に広がる金色の稲田は大切な景色。
家族が米農家のため、子どもの頃から一年を田んぼと生きていた。 田植えや稲刈りなど、稲作の一大イベントの日には、朝からみんなでおにぎり作り。老若男女、昼まで働き、汗をぬぐいながら軽トラの上で食べるおにぎりは格別だった。おやつはひいじいちゃんの大好物、オロナミンC。これがまたうまい。 子どもたちもある程度大きくなると、お父さんがコンバインの運転を教えてくれた。ものすごい勢いで大きな音を上げながら稲を刈り脱穀していくコンバイン。乗用車とも違う非日常なその乗り物は、娯楽も何もない田舎で育った子どもたちからしてみれば、まるで遊園地のアトラクションのようだった。(当時遊園地なんか行ったことなかったけど)
食べて生きていくためのお米を、一年かけて家族一丸で作っていたあの経験は、私にとってかけがえのないもの。
今は東京で田んぼとは無縁の生活だけど、将来子どもができたらまたみんなで稲作したいな。