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「早春・飛び立つ」

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自然・生物イラストレーター Artis...
「早春・飛び立つ」-1
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制作ノート
冬の終わり、春の始まり、その兆し。

この作品は、街中の駐車場の隅に咲いていた一輪のセイヨウタンポポから発想を得ました。

真冬のさなか、タンポポなど一部の植物は「ロゼット」という状態になります。まるでヒトデのように、何枚もの葉を放射状に地面にぺたっとくっつけて伸ばし、円形に葉が生えている状態のことを言います。茎を伸ばさず、葉だけにすることで冬の間にエネルギーを溜めて春に備えているのだそうです(間違っていたらご指摘下さい)。

わたしが見かけたそのタンポポは、ロゼットの状態で一輪だけ全く茎の見当たらない小さな花をつけていました。そこは日当たりが良く、小石だらけの場所でしたので、おそらく暖かかったのかもしれません(これを書いている2021年はユキヤナギの芽吹きが早かったり、大雪になった地方があった割に春の到来を感じるのが早い印象がありました)。

そこで、その一輪を手前に描き、そして冬になると日本に渡って来て、春になると北へ帰って行くツグミの、低いアングルから飛び立つ姿を描いて、季節の移り変わる瞬間を絵にしました。背後にはキジバトなど他の地上でよく見かける鳥が飛び立つ瞬間も描き入れ、敢えて青空の面積を広くして世界が広がる感じにしました。身近な生物を中心に描く事は、ここ数年作品制作の中で増えました。

確実に季節が巡り、変化していく自然界の静かなダイナミズムを感じていただけたら幸いに思います。

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