私はカンボジアの子どもたちの絵を目の当たりにし、そこにある表現力の『強さ』を知る。
私たちは、カンボジアの子どもたちの置かれている現状をどこまで知っているだろうか。
情報のほとんどをインターネットやテレビなどのメディアから手に入れていることだろう。
しかし、メディアというフィルターを通しての情報は紛れもない事実にも関わらずどこか他人事で寂しい。
弱く、芯のないものはフィルターを通せば歪められてしまう。
しかし子どもたちの絵は違った。
フィルターを通しても歪められない『強さ』を感じる。
カンボジアの子どもの描く絵の持つ内発的なエネルギーは真実なのだ。
その『強さ』はフィルターを通しても揺るぎなく私たちの感覚や心に届くものであると確信した。
「私はこの『強さ』をもっと多くの人に知ってほしい」とこの作品に思いを託した。
この作品はJPEG感(データ化するときに生じるドット)のあるデザインとなっている。
日本では身近な存在であるメディアもまたJPEGの画面によって成り立っている。
JPEGというフィルターを通して見る子どもたちの作品は、本物ではない。
しかし、フィルターの奥から直接私たちに語りかけてくるものがあるはずだ。
そんな鑑賞体験を通して、画面の奥にあるカンボジアの子どもの描く絵の魅力やパワーに目を向けてほしい。
