二次創作における漫画というコンテンツは、一枚のイラストより濃い情報量でキャラクター性を表現するものです。そこから見える作家側の解釈、キャラクターの読み解き方、動きや表情などで見る側に違和感を与えてはいけないという事を念頭に置き、構図や物語を考えています。「このキャラクターはこんな事を言わない、やらない、こんな顔をこの場面でしない…」など、解釈とは人によりけりなものではありますが、多くの人が「この状況でならもしかするとこんな反応をするかも」と納得できる、キャラクター性から大きく逸脱せずに物語を描ききったものを提供できたらと思い、常に制作していました。それは例えば、原作が漫画であるなら原作の構図や話のテンポ感を合わせる、原作やゲームや配信者であるならその人物の声が聞こえてくるような言葉選びでセリフを考えるなどです。
また、漫画制作は必要に応じて難しい構図や表現にも挑戦しなければならない場面が必ず発生します。描き慣れている楽な構図にばかり逃げず、時には敢えてキャラクターをデフォルメする、特定の部位を大きく映す、カメラを引くなどで単調な会話のみのシーンにもなるべくメリハリをつけています。