「roBa」は以下の特徴を持つ自作キーボードです:
「roBa」は一部、「Keyball39」のデザインやコンセプトを引き継いでいます。Keyball39は、トラックボール搭載の分割キーボードとして人気を集めているキーボードで以下を踏襲しました:
一方、「roBa」独自の要素として以下を追加しました:
ワイヤレス化により、以下の利便性が向上しました:
通常のキーボードとマウスの組み合わせと比べるとデスク上のスペースが想像以上に広くなります。
私自身、仕事中にはキーボードの間にメモ帳を、趣味の時間はDTMのMIDIパッドや、カッティングボードを置くなど、デスクがより豊かに使えるようになりました。
また、無線に特化したZMK firmwareを元にファームウェアを作成し、keyballとは異なる省電力センサを採用するなどしたため、無線入力デバイスには欠かせない省電力性にも長けています。
ロータリーエンコーダを追加することで、クリエイティブ作業などにおいて直感的な操作が可能です。
ex)DAWや映像編集ソフトのタイムライン操作、拡大縮小などなど
roBaの開発は個人的には有線の煩わしさを解消することが主な目的でした。またSNSなどの自作キーボードユーザの傾向を見ると、トラックボール搭載キーボードを好むユーザーは、ミニマルさを求める傾向があり、無線化はこの要望に強く応えるものとなるだろうという考えも後押しになりました。
特にKeyball39ユーザーの間ではkeyballを流用して無線化を試みる人がSNS上では多くいましたが、以下の課題が存在し快適に使うのは困難な状況でした:
これらを解決するために、「roBa」ではkeyballから形状は保ちつつ、基板、センサーやマイコン、ファームウェアを一新し、無線に特化した設計としました。
マイコンには技適取得済みのXIAO nrf52840 を使用しました。このモジュールにはバッテリー充電回路が内蔵されているbluetooth対応モジュールであり、目的に合致していました。
技適取得済みのモジュールであるものの公式の推奨の開発環境と異なるため技適が無効となってしまわないか販売元のSeeed Studioのサポートチームに問い合わせ確認しました。
https://qiita.com/kumamuk-git/items/1c23ee11746013594622
結果としては物理層のみで認証を取得しているためソフトは認証に影響しないとのことでした。
pmw3610という省電力性の高い光学センサを採用しました。またこれを使用するためのセンサモジュール基板もデータシート等を参考に設計しました。
zmk firmwareというbluetooth利用に最適化されたファームウェアを用いました。
(国内の自作キーボードでの採用例がかなり限られていたためzmk firmware公式のdiscordに入り浸って質問し様々な国の方からノウハウを教えていただきました。)
「roBa」では、水平ロータリーエンコーダを採用しています。これにより、人差し指で自然に転がすだけで操作できるため、操作性が向上しました。初期は既製品を使用していましたが、販売間際に入手困難になってしまい急ぎ基板と筐体を設計し、自作の代替品を開発しました。
このエンコーダは一般的なロータリーエンコーダ(EC12など)とフットプリントに互換性があり、他のキーボードでも広く使える設計となっています。
本来採用予定だったエンコーダ
自作したエンコーダ
roBaのロゴはキーボードの特徴を表した形にしました。oはロータリーエンコーダのホイールの断面の形状、aはトラックボールとトラックボールケースの形状となってます。
roBaは現在販売を行っていますが、はんだ付けありの組み立てキットなので、詳細な組み立てガイドを用意しました。
https://github.com/kumamuk-git/roBa/blob/main/doc/v2/buildguide_v2.md
kicad、blender、plasticity、fusion(試作時のみ)
Bambu Lab A1mini