めろこ氏からオーダーを受けた際に伝えられたのは、「以前よりも親しみやすいイメージで」という内容でした。
頂いた資料の中にはお店の移転先となる物件の写真も含まれており、確かにそこは以前のお屋敷然としたblanqよりも、新たなその街に寄り添うような素敵な佇まいでした。
以上から、私が提出したラフは以下の3枚でした。



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1枚目は店内の内装の写真を拝見させて頂いた際に、椅子の黒色が制服によく似合っていると感じ、そちらを中央に置いて、メイドさんに座ってもらうというシンプルな構成になっています。
3枚すべてに共通して描いていることは、メイドさんの表情から緊張感を取り除いた事です。もうひとつの共通事項は、blanqさんの「魔法使いのメイドさん」という部分が大好きなので、細かな描写ですがそれらも忘れることなく描写しています。
後から描き足した三種のクッキーのうち一種類は実際にお店で提供して頂き、とっても美味しかったクッキーです。
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2枚目ははじまりの湯島のお店から、間借り営業期間を経て、新店を御茶ノ水で開店なさるという経緯を聞いて、トランク片手に旅をする魔法使いさんのイメージが湧いたので描いてみました。
大きくて重いトランクを置いて、ようやく新天地へと到着したようなイメージです。
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3枚目は一番カジュアルダウンしたイメージで、ニューフェイスのメイドちゃんを添えています。
浮世離れした魔法使いさんたちが、いわゆるメイドカフェっぽいことをしてみている、というコミカルな構図。
初お目見えの3人目のプレッツェルな髪型も、一番現代的で奇抜であり、blanqさんのイメージの幅を持たせる効果を狙っています。
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お馴染みとなった慎ましやかな編み込みのメイドさんも、制服モデルの黒髪のボブヘアの子も、実はデザイン起用に至るまでに数多くのパターンを書き起こしてからめろこ店長にじっくりと時間を掛けて見て頂き、意見やアイデア出しもして頂いて現在の姿かたちと相成っています。3人目のプレッツェルもいつかの日にお目見えする事があったら嬉しいね。(もちろん未定です……!)

◦メイドさんの最初期ラフ◦表情の修正

◦#1ビジュアルの2案◦メイドさんのデザイン候補
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少しだけ話は脱線しますが、こういった緻密な打合せに妥協せずに取り組んでくれるめろこ店長の姿勢がblanqをよりよい場所にしているのだと毎度思わせてくれます。
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「今日はなにが楽しかった?」という、とてもシンプルなメッセージを添えています。
blanqさんはメイドカフェですので、常にお屋敷の中で給仕し続けるメイドさんが、外から帰宅されるご主人を迎え入れる際に掛けるほんの一言、というイメージです。
そうして外での出来事を楽しく談笑して、お屋敷を後にする頃には、その日の楽しかったことが「blanqへ足を運んだこと」にアップデートされているといいなという思いを込めています。
さらに、なにか楽しい出来事や嬉しい事があった時には、「blanqへ行って話をしよう」と真っ先に思ってもらえる場所になるといいな、という思いも込めました。
いい本を読んだよ、おいしいお菓子があったんだよ、今日は寒いね、大きいようで小さなこと、その逆もまた然りです。
以前よりももっと身近に、気軽に足を運んでもらえたら。
とてもシンプルなメッセージですが、いくつかの意味合いを持たせています。
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以上です。より細かい部分は割愛しますが、おおまかに描かせて頂きました。
メイキングとは少し異なりますが、こんな事を考えながら制作したよ、というお話でした。
いつもお仕事のお話を頂くたびに「おっ……」っと背筋が伸びる思いでもありますし、毎度毎度なんだかこんなにいろんな事を考え込んでねじれながらやらせて頂いております。
blanqさんの魅力を届けるお手伝いがほんの少しでもできたなら、こんなに嬉しい事はないです。
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