このイラストを描きはじめるときに一番最初に浮かんだことは「ドレスが描きたい」という気持ちでした。
その気持ちに素直に従い、筆を動かし始めたのがきっかけです。
結構、〇〇を描きたいな~という思いからイラストを描き始めることが多い私です。
ラフを描いている段階で、「可愛くてふんわりしている」イメージを頭になんとなく浮かべながら女の子を描いていきました。
座っているポーズでドレスが膨らんでいる様子から「ふんわり」というイメージを形にできたんじゃないかな、と思います。
この作品は厚塗り風で仕上げた作品なので、線画の工程は踏みませんでした。
元から厚塗り風で描くと決めていたこともありましたが、何よりラフの段階が個人的にとてもよく描けたと思ったので、わざわざこの雰囲気を線画に起こすことで、固いイメージになってしまう懸念をなくすため、そのままこの線(ラフ)でいこう!と決めました。
配色は最初から決めていて、主にピンク、赤、白でまとめようと色を置いていきました。
私の中で「ふんわり可愛い」はやっぱりピンクというイメージが強くて。
また、本当に柔らかいイメージで完成させたかったので、無理に反対色なども入れませんでした。
季刊エスに掲載されたときに、編集者の方から作品の感想も書いていただいたのですが、そこに「柔らかい雰囲気に加え、甘い感じもする」と書いてあって、私が伝えたかった印象がちゃんと真っ直ぐ届いている!と嬉しく思ったのを覚えています。
ドレスに少し入れた黄色の模様もお気に入りです。私の頭の中では刺繍糸で縫って模様を描いている気分でいっぱいでした(笑)
背景の葉っぱの色は最後まで迷いましたが、やっぱりピンクにしてよかったかなと思います。
因みに今文字ではピンクばかり口にしていますが、結構白を使っています。
ここでもしドレスの色の比重を赤やピンクにしてしまっていたら、もっと胸焼けするような重ったるい印象になっていたんじゃないかな、と。
白にすることで、その重たさの緩和と、清楚な雰囲気も出せたんじゃないかなと思います。
この作品はWebに載せたときも見てくれた方の反応がいつもよりよかった印象でした。
私にとってもお気に入りの作品で、基本的に可愛い雰囲気のものが好きな私は、作品を通じていろんな方と好みを共有できた感覚で嬉しかったです。