この連作は「いきもにあ2021 いえもにあ2」のオンライン展示に伴い制作した作品です。
子供の頃から動植物をじっと見るのが好きで、それは大人になっても変わらず続いています。
今回は自宅周辺の動植物を観察していく中で、20年の間に特に変化を感じたを生物を描いてみました。上半分が周辺環境の変化、下半分に変化のあった主な生物です。この制作ノートでは、連作の中に納めきれなかった事柄をいくつか書きたいと思います。
大まかですが、見かけた生物などを記録しています
20年間の変化でまず感じたのは、見ることができる昆虫の種類が減ったということでした。イラストには描ききれませんでしたが、「すいっちょん」と鳴くウマオイや、触覚と脚が長いカマドウマなどは、もう子供の時以来、見かけたり鳴き声を聴いたりしていません。全体に昆虫の数・種類そのものが減っていると感じます。
また逆に(一時的にでも)発生数が多くなった昆虫もあり、例えば、数年前からは大型のカメムシの一種であるクサギカメムシが、特に秋になると10匹前後で戸袋などに来ていましたが、年を重ねるごとによく似たキマダラカメムシが混ざるようになり、ついに今年はキマダラカメムシばかりになりました。
その他、特に今年はテントウムシ、カマキリの姿をあまり見かけませんでした。来年はどうなるのか観察したいと思います。
マツ林に生息するハルゼミは、そのマツ林が減少した影響なのか姿を見せなくなりました。また近年はクマゼミがとても増えましたが、今年になってそのクマゼミも少し減ったように思いました。私たちの会話する声が聞こえなくなるほどだった鳴き声が、今年はそこまでではありませんでした。こちらも来年以降は変化があるのか注目したいです。
また、カエルやカタツムリも20年で大方の種が姿を消しました。特に大型のカタツムリはずっと見ていません。アマガエルは2,3匹庭に生息していたのが、現在は遠くの田園地帯から、風に乗って鳴き声が聞こえるのみとなりました。
鳥類ですが、まず現在は東日本のみに生息するオナガについて、実は最後に目撃したのは2012年、春に3羽サクラの木に止まっていました。双眼鏡で確認して鳴き声でオナガと判断しました。もちろん、今は見ることはできません。
アオバズク、コジュケイも現在では鳴き声も聞こえなくなり、他にも3年前を最後にツツドリの鳴き声、今年の春にはウグイスのさえずりが確認できなくなりました。ウグイスは来年また確かめたいと思います(サザンカ等のやぶに来ていることは確認)。
近年数を減らしているというスズメですが、在住地でも一旦数を減らし、ここ1,2年くらいは特に午後以降、自宅近所で大きな集団になる姿を目撃します(その時、ムクドリも近くでたくさん群れています)。ある程度の群れになってから、一斉に街の中心部へと移動していきます。
一見すると増えたように感じますが、朝、庭先や電線にやってくるスズメの数を見ると、20年前の数と比べて少ないと思うので、全体的にはやはり減っているのかもしれません。
そして、近年よく見かけるのが、青と赤茶色のカラーリングが印象的なイソヒヨドリです。マンションなどの高いビルの上から美しいさえずりが聞こえます。現在は庭先にもやって来ます。
同時に、チョウゲンボウなどの小型猛禽類も見かける回数が増えました。ただ、猛禽類については勉強不足なので、これからさらに勉強していきたいと思っています。
カラ類、コゲラなどのキツツキなど、山にも生息する鳥たちを見かけることが増え、それと同時に、サルトリイバラやアケビといった、自分では少し山の方に生息するというイメージだった植物を10年ほど前から見るようになりました。
あと、目立って増えたのがヤブカラシです。イシミカワなどの植物に代わってこちらも10年くらい前から急激に増え、道ばたのやぶは今、この植物がたくさん生い茂ります。
ルリタテハはサルトリイバラが増えた事に伴い、増えたと思われます。幼虫がサルトリイバラの葉を好むためです。
ここで書きたかったのが、20数年ぶりに庭に巣を作ったジグモです。ジグモは木や大きな石、家の土台などの根元に穴を掘り、そこから袋状の巣を作って、その中で暮らしています。20数年前に家と庭を直した事が要因だったのか、ジグモはその後ずっと姿を消していましたが、2017年、庭石の根元に巣を確認してから、毎年庭のどこかで巣を見かけるようになりました。
プライベートで続けてきたブログの中にも、大まかに生物の記録があったので、それも確認しながら作りました<br>
以上、自由研究レベルではありましたが、まとめました。単純に、ずっと見てきた変化をかたちにしたいとの思いもありましたが、住んでいる場所の近辺にはどんな生物が生息しているのかと興味を持つ方がいらっしゃいましたら幸いに思います。住んでいる場所について、生物や自然という視点から知ることもまた大きな意味があるのではと自分の経験から思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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※もし、ここが間違っているなどありましたらご教示いただけると幸いです。