私は透明人間。あらゆる行為を細分化し、それらをひとつひとつの現象として捉え直す。 それだけが透明人間の役割だ。しかし案内人は言う。「そこにあるのは義務ではない。生の理に、近いものだ。」観察を始めよう。
<制作過程>
大学三年次に制作した実験映画です。制作前にはタル・ベーラ監督作品『サタンタンゴ』に関する研究を行い、制作にあたっては以下のルールを定めました。
一、人間以外のなにかに必ず焦点を当てること。
二、カメラ(私)を導く存在が常にいること。
三、私の存在は認知されないこと。
四、導く存在の意識の先には撮るべき被写体がいること。
「透明人間になりたい」。具体的には誰にも認知されない存在になって、あらゆる状況に身を任せ、受動的に世界を眺めていたい。自らの、この願望を映像に落とし込むためには⻑回しかつ移動撮影が適していると考えました。