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TORIENA 「MELANCOZMO」MUSIC VIDEO
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篠田利隆(異次元TOKYO)x TORIENA インターネットが導いた出会い
2017年8月に公開されたTORIENA『MELANCOZMO』のMV。軽快なチップチューンを響かせつつも、幾度も登場する00年代のコンピュータや灰色の空に浮かぶ謎の生命体が不穏な世界観を彩っている。監督したのはオタクカルチャーをプロモーションするクリエイター集団・異次元TOKYOの篠田利隆。2人の交流はTwitterから始まったそうだ。2人がどのように出会ったのか、そしてどんな過程を経てMVが生まれたのかをインタビューで掘り下げていく。
篠田利隆(異次元TOKYO)
映像ディレクター/プランナー
https://www.foriio.com/shinodaijigen
オタクカルチャー中心に、企画、アイデア、プロモーション、コンテンツ作り。映像監督。
TORIENA
アーティスト
http://toriena.net/
2012年京都にて活動を開始、2013年に日本初のチップチューンレーベル「MADMILKEY RECORDS」を立ち上げ。作詞・作曲・編曲、アートワーク、ボーカルを全てセルフプロデュースで手掛けている。GAMEBOY実機とDTMを使った、チップチューンを中心としたポップでハードなサウンドを得意とし、縦横無尽にステージを暴れまわるスタイルが特徴。
最先端クリエイターがインターネットで出会うまで
ーーお二人の交流は、どのように始まったのでしょうか?
篠田
知り合ったのはTwitterです。当時、もう無くなっちゃった秋葉原の「三月兎さんげっと店」で同人音楽を買い漁ってて、そこにすごく可愛いジャケのCDがあって、「チップチューンの立役者!」みたいなコピーも付いてて、それがTORIENAさんのCDでした。「そういえばこの人、YouTubeでMV観たことあるな」と思って買って、聴いてみたら曲も良くて、Twitterでフォローした、みたいな。
TORIENA
篠田さんがTwitterでフォローしてくださって、プロフィール欄観たら「この人、すごい人だ」と思って(笑)。篠田さんが作ってる作品もいろいろ見て、フォローバックしました。当時、実写のMVを作ったことがなくて、後々お願いできたら嬉しいな、とは思っていて。その後『大江戸コントローラー』のときに実写MVを作ろうという話になり、面識ないけど相互フォローだし、一回DM送ってみよう!っていきなりDMお送りして、そこから接点が生まれました。
ーー『MELANCOZMO』のMVはどのように作られていったんですか?
https://www.youtube.com/watch?v=0-oJLmTxnQ8
篠田
初めにTORIENAさんから世界観をまとめた字コンテをいただいて、それをベースにアイデア出しをして、数回やり取りしながら作っていきました。
TORIENA
3回ぐらいじっくり打ち合わせして、お互いの好きな作風とかもすり合わせました。
篠田
TORIENAさんがテクノへの思いを熱弁してくれて。好きなアーティストとかじゃなくて、「『テクノ・マインド』のあり方」みたいな話を(笑)。
ーーテクノ・マインド……?
TORIENA
電子音って人工音なので、人間が存在していなければ電子音楽ってこの世に存在していなくて、チップチューンとかってその産声に近いものだと思っていて、初めてクラブでそういう音楽を聞いたとき、ものすごい衝撃を受けて。「私はこれを作らなければいけない」っていう思いが生まれて、そこから私の音楽も始まったので……というような話を熱弁して(笑)。
篠田
もう、「人生」みたいな話だったから……(笑)。僕自身も黎明期からテクノ音楽に触れていろんな衝撃を受けて育ったから、そういう気持ちも思い出して、当時Warp Recordsとかから出てた昔のテクノのMVみたいなイメージにしたいな、と思って。「ガチテクノMV感」「不気味感」を出したいっていうのも、その時に出ました。その後、TORIENAさんが「ストーリーと精神世界について」みたいなテキストを書いてくれて。
TORIENA
自分の中にある哲学とか、世界観を文章にして、キーワードなどもまとめてお送りしました。
篠田
そういうテキストのやり取りを経て、最終コンテを描いて、撮影、という流れで制作しました。ただ、もともとコンテ案を2案出していて、それをTORIENAさんがどっちも同時にやりたい、1つにまとめたい、っておっしゃって。
TORIENA
「超激シブ」にするか、ドット絵とかを使った「8ビットっぽいの」にするか、どちらが良いですか、って言われて、「どっちもやってください!」って(笑)。
篠田
結構大変な作業だったんですけど、一緒にCG作ってた井原くん(井原秀雄/@iharahideo)とかもめっちゃテクノ好きで、予算度外視のCGを上げてくれて。もともと別で作ってたボツ案がベースになってたらしいんですけど、とにかくCGがスゴくて。制作チームで「神様」って呼んでました(笑)。
ーーその後、撮影はどんなふうに行われましたか?
篠田
まず大枠の企画書を立ててから、絵コンテを作って撮影に入るんですけど、もともと僕がCMのディレクターなので、かなり細かく作るんです。MVの監督では全カット分の絵コンテを描く人は珍しいので、プロデューサーは僕の分厚い絵コンテを見ると吐き気がすると(笑)。そのコンテをベースに撮っていきました。カット数が多いので、撮影は時間かかりましたね。
TORIENA
丸一日かかりました。朝の6時に始まって、翌日の朝7時ごろまで。スモークを焚いた暗い場所でレーザーを放射するんですけど、なかなかスモークが溜まらなかったり、そういう”待ち”の時間もあって。
篠田
廃墟みたいな、TORIENAさんの部屋をイメージしたセットを組んだんですけど、あんなに細かく絵コンテを描いたのに、ライティングと部屋のセッティングが当初の予定と真逆で、全部セット組み直したりしました。あれは全部僕が悪かった(笑)。
TORIENA
しかもタイムリミットがあって、暗いうちに撮り終えないといけなかったんですけど、かなりギリギリでしたね。「日が昇ってきたぁ!」みたいな。
篠田
「サイバーパンクの風景が普通の日常になっちゃう!」みたいな慌て方してました。過酷でしたけど、楽しかったですね。TORIENAさんの撮影は真夜中だったので、それまで仮眠してもらって。一番メインの撮影なのに真夜中で、申し訳ないなって思いながら……。
TORIENA
私もハイになってたので、撮影は楽しかったです。18歳から活動を始めて、ずっと思い描いてたTORIENA像っていうか、TORIENAのやりたいことっていうのが、あのMVによって完成したな、って思ってます。あのMVでTORIENA第一章完でもいいな、って。次のステップに踏み込んでいくきっかけになるというか。
篠田
僕も、現代じゃなくて80年代のサイバーパンクに思いを馳せて生きてきたので、そういうことが初めてゴリゴリに出来たので、とっても満足でした。TORIENAさんだからできることだったし、サイバーパンクの世界はネット社会だと思うので、インターネットの世界で注目されたミュージシャンと一緒ににこういうMVを作れて嬉しいです。
TORIENA
「それっぽい感じ」じゃなくて、本物感が出てよかったです。
篠田
次はハリウッド級の予算でやるしかない(笑)。
TORIENA
それか逆に、超チープにしましょう、全部iPhoneのカメラで撮るとか。
篠田
「これが次のサイバーパンクだ!」みたいなね(笑)。
ーー今回取材させていただいてるforiioはポートフォリオサービスと、今後もクリエイターのマッチングも予定しているウェブサービスなんです。
TORIENA
もともとTumblrでクリエイターのポートフォリオを見ることが多かったんですけど、検索性が低かったりするので、ポートフォリオに最適化されている点でforiioは便利ですね。
篠田
Tumblrはいきなり重くなったりもしますよね。foriioはアップロードもしやすいし、関わったクリエイター同士のリンクも張りやすいから、クリエイターがたくさん入ってきたらどんどん便利になりそうです。あと、TwitterとかTumblrって、クリエイターの人が作品をアップしてても仕事を頼んでいいのか、連絡していいのかわからないけど、foriioはポートフォリオサイトだから、安心して連絡できますね。
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