俳誌『冬林檎』の目次の挿絵は黒犬モチーフが定番でした。
そのマスコットモデルだった黒犬君がこの号の発行のタイミングで亡くなってしまいました。
毎号依頼をいただくたびに彼の写真を遡って拝見し、そのシルエットを手指に染み込ませていた矢先の出来事でした。。。
今回で黒犬は最後・・・
そう告げられて思いっきり本人 (犬)を登場させることにしました。彼の特徴である全身真っ黒な黒毛を生かして黒ベタに塗り、でもよく見ると彼の目や鼻先の艶が見えてくるように描きました。背景は散歩で過ごしたであろう公園らしき芝や草花を。
私にも小さな愛犬が親元にいます。彼女の家族を見つめる眼差しの愛情の深さはどこのワンコにも共通するものでしょう。切なくなりました。
黒犬さんは最期の一瞬まで飼い主さんの愛情に包まれて過ごしました。息を引き取ったのは大好きなパパさんの腕の中、パパめがけて倒れ込みそのまま逝ったそうです。もともと野犬の子犬で保護されていたのを引き取って育てられたそうです。ひとりぼっちだった彼に思いっきり甘えられる優しい家族ができてどんなに嬉しかったことでしょう。(中面のイラスト『5本のバラ』の花言葉は黒犬さんからママとパパへのメッセージ代わりに・・・㊙︎)