この作品は、けもケット12にて頒布するために、5月末から制作開始した作品です。「リザ×バクの純愛」がテーマの作品です。pixivに投稿した、同カップリング作品の前日譚となっています。その作品のリンクはこちら。
イベントでの出品、という大きな理由もありましたが、自分自身がクリエイターとして自信を持てる作品を作りたいと思い、気合を入れて制作に着手。本文の文字数が約9万字弱、ページ数が114ページと特大ボリュームの作品を、計画的に制作しました。
概要で述べた通り、この本のテーマは「リザ×バクの純愛」です。リザに憧れた主人公のバクがどのように結ばれていくのか、をシナリオ展開の主軸とし、前半部分ではバクがリザの相棒になる過程を描きました。しかし、その部分に着手した当時は、全く違った展開でした。
当初の展開を具体的に述べると、「リザのパートナー選考会に参加し、見事パートナーになる権利を勝ち取る」というもの。リザのパートナーになることへの特別感が強まり、またバクの「リザの相棒になりたい」という強い意志が示せると考えたのですが、他の選考会参加者への描写にリソースが割かれ、肝心のリザとバクの二匹のお話が極端に減ってしまいました。
これはコンセプトとなるお話を上手く伝えられないと考え、リザとバクのお話をより展開できるよう、「二匹でバトル大会に挑戦、優勝すれば晴れてパートナーに」といった形に変更しました。1万字程度の修正が入ってしまいましたが、より良い形に変更できて今は満足しています。
他にも、リザとバクのお話に集中できるよう、考察の余地だけを与えてあえて隠した話などもあり、コンセプトの一貫性には非常に気を遣っていました。
けもケットに出すからには、発行した部数を売らなくては。しかし、今回は「純愛」がテーマ。彼らが愛し合う理由の説得力を持たせるには、シナリオ重視の進行が必要だと考えました。ただ、自分がpixivに投稿していた作品の中でも、濡れ場描写が中心の作品が伸びやすい傾向がありました。初参加かつ小説というマイナス要素が目立つ中で、シナリオ重視の作品というものは小説好きやコアなファン以外には手に取ってもらいにくいのではないか、と考えました。
そこで、プロローグにて真っ先に濡れ場を書きました。内容としては、幼いバクが見知らぬお尋ね者に凌辱されてしまうもの。そこでリザに助けられる展開にすれば、シナリオが破綻せずにバクがリザに対して強い想いを抱く動機づけに、そして試し読みの際にその濡れ場を気に入って頂ければ、濡れ場重視の客層にもシナリオが気になって読んでもらえるのではないか、と考え、そのような構成にしました。
結果として、手に取ってもらえた時にそのまま買っていただけた人が多かったこと、普段小説作品を読まない友達にもその部分を評価してもらえたことから、やる価値のあった展開だったと考えています。
今まで作品は長くても1ヵ月しかかけないようにしており、それはモチベーションの低下、書く内容の迷走などを危険視して短期的なスパンで制作していました。ですが、今回は3ヵ月半を制作に費やしました。これほどの期間で制作するのは初めてだったので、以下の3点を大事にして制作いたしました。
1と2はどの段階に達しているのかを明確にし、モチベーションの持続に役立ちました。特に、2の際にお互いの進捗を褒め合うこともあったので、とても強いモチベーションになりました。こちらは、今後とも長期スパンの制作の際に続けたく思っています。
3は、最後の原稿データの提出の際に不備が見つかった際、確認・訂正できる時間を確保でき、非常に良いスケジューリングになったと実感できました。ただ、まだ文書内のミスが後に見つかったので、今回は3日ほどの余裕でしたが、次の制作の際はもう少々長めに取り、校正の時間を長く取りたいと考えています。