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「採用PR」の情報ならCO-NECTAR(コネクター)

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読み手を大切にするように、作り手のことも想いたい―阿部裕華さんの仕事哲学
Note

Webメディアのコンテンツメイカーとは、単なる「記事を作る仕事」なのだろうか? コンテンツを届ける先には、情報を求める読み手がいる。読み手にとって必要な情報を集め、加工し、わかりやすく伝えること。そして、その情報を必要とする読み手に正しく届けること。それこそが、メディアの作り手に求められる姿勢だ。

企画執筆から編集、プロジェクトマネジメント、コンサルティングとフリーランスで幅広く活躍する阿部裕華さんは、そんな姿勢を持った一人。編集を担当するメディアCO-NECTORでは、採用広報に関する情報を発信している。編集やディレクションの経験を経てつかんだ視点から、「読み手目線」にこだわった記事発信に力を入れる。一方、「作り手目線」でライターとのコミュニケーションにも気を配るという。

コンテンツに関する多彩な仕事を行なっている阿部さんの仕事観に迫った。

「働き方」への関心から始まったライティングキャリア

Note

――もともと「書く」仕事を始めたのは、何がきっかけだったのでしょうか?

働き方に関する情報発信メディアFledgeでライターを始めたことです。当時は新卒で入った別の会社でSEとして働いていましたが、「生活のために残業をする」という会社の空気に違和感を覚えていました。

そこで「働き方」そのものに興味が湧いて、いろいろ調べてみた中でFledgeを見つけました。メディアのテーマに強く惹かれたんです。ちょうどライターのポジションを募集していることを知って転職し、そこからライターとしてのキャリアをスタートしました。もともと理系だったため国語が苦手で、最初はなかなか文章が書けず、先輩に鍛え上げられる日々でした。

――当時はどのような業務をされていたのですか?

Fledgeでは、取材記事から、SEOを意識した記事制作、取材時の写真撮影や、記事のアイキャッチ画像作りなど、とにかくコンテンツに関する仕事は何でもやりましたね。特に意識したのが、読者が最初に注目する「タイトル」と「画像」です。記事本文を読んでもらうために、その2つはとてもこだわっていました。この頃の経験は、現在担当しているCO-NECTARでも役立っています。

慣れてきてからは、ライティングや編集だけでなく、ディレクションやライターさんの採用業務も担当。小さな会社だったので、いろいろな業務を経験できました。

読者目線を多角的に捉え、生まれるコンテンツ

――Fledgeでの経験は、今の仕事にどう活きていると感じますか?

読者目線のメディア作りについて、かなり多くのことを学ばせてもらったと感じます。読む人の役に立つか、面白いと感じてもらえるか、気づきを得られるか。編集やディレクションの視点から見て、企画が読者の興味を引くか、質問が読者に刺さるか、画像やイラストが分かりやすく情報を伝えているかなど、「読み手が読みたくなるメディア」の基礎を踏まえた上でアウトプットを考えられるようになりました。

Note

――阿部さんが関わっているメディアはオリジナルのアイキャッチ画像や本文内の図が特徴的ですよね。

アイキャッチ画像ひとつとっても、どんなキーワードを入れたいかを考えた上で、それが目立つ画像作りを心がけています。例えば、CO-NECTARのカラーはオレンジや水色なので、パッと見たときに「これはCO-NECTARの記事だ」と分かることも重要です。

「編集」は文字情報を扱う仕事がメインだと思われがちですが、私はむしろ文字ばかりの記事を読むことに億劫さを感じてしまうタイプ。そのため、画像や図などで説明し、読まずとも視覚的に伝えられる情報はなるべく伝えるように心がけています。これも読者目線を実践している一例ですね。

――これまではコンテンツの中身に関するお話を伺ってきましたが、メディアのコンテンツを狙った読者に「届ける」ためにどのようなことに注意されているのでしょうか。

検索ニーズを意識していますね。CO-NECTARのキーワードである「採用PR・採用広報」は、一般的には認知度が低い領域ですが、確実に検索ニーズがあります。それ以外に、編集を担当しているアルバイトに関するお役立ちメディアジョブリストマガジンは、アルバイトの検索ニーズが多すぎるため競合記事が多い。このように、メディアによって意識する点が三者三様に変わってきます。 そのため、オーガニック検索データを取得して上位のキーワードを洗い出し、検索であがってくる似たような記事との差別化を意識してコンテンツを作っています。検索で記事にたどり着いた読者にとって「どのような情報が有用であるか」という視点から記事を作るようにしているんです。

たとえば「採用広報を目的としたオウンドメディア&企業ブログまとめ」の記事など、既存記事があるようで意外と見つからない情報を、網羅的にまとめる記事作りもしています。

依頼する側とされる側、両方を経験したからこそ見える世界

――現在阿部さんはフリーランスとして活動されていますよね。ほかの仕事の中でも「読者目線」を意識されていますか?

はい。CO-NECTAR以外では4社の企業とお仕事をさせていただいていて、そのほとんどがWebによる情報発信を目的とした仕事です。媒体によって目指す方向性やターゲットはバラバラなので、それぞれのメディアでどのような人たちに向けて何を作るかを常に意識しています。

Note

――以前、ご自身のnoteで「仕事を依頼する側」が気をつけるべき6つのことという記事を公開されていました。これも、今までの仕事の経験から得られた気づきだったのでしょうか。

そうですね。編集・ディレクションとライター、両方の経験があるからこそ、どちらの視点からもコンテンツ作りを考えられるようになりました。やはり、「この人とだったら仕事をしたい」と思える、思ってもらえることは重要です。仕事をする相手にとってストレスが少なく、かつ、モチベーションを高められるコミュニケーションをとるように意識しています。依頼を受けるときは編集側の視点に立ち、依頼をするときはライター側の視点に立って考えますね。

――具体的に、どのようなコミュニケーションをとるようにしていますか?

こちらが依頼をする立場である場合は、相手になるべく疑問が残らないよう、できる限りすべての条件や前提を細かく具体的に伝えます。意見を言う際も、まずは相手の立場や意図を汲み取った上でこちらの言いたいことを理解してもらえるよう伝えるのがポイントです。

原稿の赤入れも、まずは良かった点や原稿を書いてくれた感謝を伝えてから。加えて、「ここをもっとこうしてほしい」という具体的なフィードバックをします。自分がライターを経験しているからこそ分かるのですが、修正点だけを突きつけられるより、どこが良くて、どこを改善したら良いのかを伝えてもらったほうが確実にモチベーションが上がるんです。

心の余白がクリエイティブを生む

――これまでコンテンツの作り手として、さまざまな立場でお仕事をされてきました。今後はどのようなことに挑戦してみたいですか?

さまざまなメディアに関わってきた経験や知識を共有し、コンサルティングのような仕事をしていきたいなと思います。執筆・編集系の仕事に関しても、読者の視点を踏まえた画像制作まで担える書き手は少ないので、そこを強みに新しく仕事を広げていきたいですね。

Note

——新卒で入社した企業で働き方への違和感を感じたり、Fledge編集部でご経験をされたりする中で、働き方について考える機会が多かったのではないかと思います。ご自身の働き方でこだわっていることはありますか?

ワーク・ライフ・バランスを重視していますね。まずは家族との時間や趣味の時間を大切にすること。そして、「働きすぎ」で創造性を失ってしまわないように心がけています。今まで複数の編集部を経験する中で、チームが忙しく疲弊しているときに限って「いい企画が思い浮かばないな…」と行き詰まる場面を見てきたからです。

クリエイティブな発想を生み出すためには、常に心の余白を保ち、深く思考できる時間を作っておきたい。家族との時間や趣味を楽しむ時間は、私にとってまさに余白を作るための充電する時間。これからも、そこは守っていきたいですね。

――最適なワーク・ライフ・バランスを実現するために、具体的にどのような姿勢で仕事に取り組んでいきますか?

「仕事は生活を豊かにするためのもの」と考えているので、それを実現し続けられるよう、仕事のやり方や量を調整しています。現在も、働く時間や曜日を決めて、私生活の時間と仕事の時間を混同させないようにしていますね。

優秀な人はたくさんの仕事を依頼されますが、いかにセルフマネジメントするかもフリーランスの重要なスキルのひとつではないでしょうか。それができるだけでクライアントさんには重宝されるし、自分も依頼をする側であればセルフマネジメントをできる人と仕事をしたいと思いますね。納期に間に合わなかったり、クオリティが下がったりというリスクを減らすことができるからです。お互いにとって良い関係性を気づくためにも、重要なことだと思います。

Text: Shika Fujisaka / Photograph: Shunsuke Imai

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