はアルフォンス・ミュシャによって1910〜1928年の間に制作された壁画連作〈スラヴ叙事詩〉のうち最初の作品で1912年に制作された。
ミュシャは最初の場面として4〜6世紀の情景を選んだ。この頃、バルト海から黒海の沿岸で農耕生活を営んでいた古代スラヴ人は絶えずゲルマン民族の脅威に晒されていた。
ここではスラヴの若い男女がゲルマン民族襲撃におびえ燃やされた村から逃げ灌木の茂みに隠れている。右上では平和と戦争の擬人像に挟まれてキリスト教以前のスラヴ人の神官が宙に浮かんでおり、今後スラヴ人が幾多の戦争を経て平和を手にすることを予言している。