不器用だからこそ

ガラスボトルを使った作品を制作しはじめたのは2010年頃の事です。 子供の頃、小さなガラスボトルにビーズなどを詰めて飾ったりしていました。 地元のギャラリーカフェにて小さな個展を開催した際、その事を発展させた作品を発表したのが最初です。 天然石・ビーズ・枝やドライフラワー・鳥の羽などを詰めて、小さな標本のように見せていました。 その中で1点、森の中の風景をボトル内に組み立てた作品があったのですが(今思うと、申し訳ないくらいのクオリティだった)、その作品がごく一部の方にご好評いただいたのが自分でも意外でした。

その頃には数名の方がガラスボトルの中に世界を構築する作品を制作していらっしゃいました。 そして、どの方も、もの凄いお上手でした。 ですので、まさかわたしが現在の形態の作品群を何年にもわたって作るようになるとは夢にも思っていませんでした。なぜなら、もの凄い不器用だったからです。

なんとかして、ここをこういうふうに成形できるようになりたい、どうやったらどの素材を使ったらそれっぽくなるだろうか、という技術・素材の面から、部品がボトルの中ではなく、ピンセットにくっついたまま離れなくなったり、鼻息で折角作った部品を飛ばしてしまったりと、振り返ると自身の「不器用さ」とこれほど対峙した作品制作はなかったなと思います。作るたびに次はこうしようという反省点が毎回出て来ますが、コンプレックスが逆に原動力になっていたことに後から気づくと、自分でも不思議な気持ちになります。

現在は体調不良をきっかけに一番小さなサイズのガラスボトル作品は制作をストップし、大きめの作品に絞って新たにガラスドームなども使用するようになりました。 まだまだ道半ばではありますが、ガラスボトルをキャンバスに、さまざまな素材を使い、立体の絵を描くイメージで制作しています。

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