「あら神様のお気にいり」の世界に度々登場する山があります。「西山」です。この山は古くから山神が鎮座しており、地に住む動植物を守ってきました。その山神に仕え業務のお手伝いをするのが、この作品の主人公になります。
その西山のさらに奥に、人を寄せ付けない険しい山岳地帯が広がっています。そこを縄張りとし古くから隠れ住んでいる民、それが「鬼族」です。容姿はほぼ人と変わらず、違いと言えば角があり牙がある、爪は鋭く黒檀色、非常に優れた身体能力と恵まれた体躯。闇夜でも爛々と輝く金色の瞳を持っています。個体によって肌の色が若干異なります。
プラチナブロンドの髪に赤色の肌、彼女の名前は「たんぽぽ」と言います。幼少期に許嫁の「ハジ」に名前を付けてもらいました。一見すると普通のサイズに見える彼女ですが、身の丈が後ろの男鬼の2倍以上の大きさです。鬼族は古くから先祖返りにあたる「古代種」が生まれることがあります。古代種は体が大きく腕力も強大、しかし知能が低くいため、たんぽぽも第一次反抗期にはよく村の家屋を破壊していました。それをなだめ世話をしていたのが、半ば強制的に許嫁にされたハジです。ハジの名前の由来は「恥っこの家にすむ恥さらし」から来ています。最初は嫌がっていたハジも、今ではこのたんぽぽ一筋の愛妻家となっています。
名前はまだ決まっていませんが、彼らも奥西山の舞台で登場予定です(たぶん)。二人は昔からそりが合わず、顔を突き合わせればいがみ合い、何度も何度も決闘に決闘を重ね戦術を研鑽し合ってきました。腐れ縁のライバル的存在です。青い方は一応貴族階級、赤い方は農民の出ということになっています。
剣技の青、剛腕の赤、最強の砦たんぽぽ、この三人が隠れ里を先導して守護しています。
