【短編】Vruberを名乗るもの|利賀セイク
この国は技術大国を自称している。確かに技術力で成功している国ではあるが、ことソフトウェアの話になるとボロが出始める。見えるものを作ることは得意なのに、見えない概念を想像する力に乏しい。 これは遺伝子の問題ではない、構造の問題だ。この国の経営者は技術を知らない。見えない概念を想像できないからだ。技術者がどんなに良い概念を作り上げても、経営者にとってそれは無いのと同じだ。だからこの国の技術者は「見えるもの」を要求され、安月給でこき使われる。 俺はそういう現状を変えたいと思っている。俺は雑誌記者だ。俺も見えないものは想像できない人間ではあるが、その価値を形にすることならできるかもしれな
https://note.com/sec_thugua/n/n4daf68e67194