【小説】劇薬a - 渡鴉|貝と蜃気楼
文・小宵 前書き この作品は、貝と蜃気楼のオリジナル楽曲『渡鴉』と同じテーマで制作し、同時に公開されたものです。ぜひ楽曲と併せてお楽しみください。 本文 「ワラキア物語」第一幕 廃墟になった洋館 玄関ホール(夕方) 十二人の子供たちがかくれんぼを始めようとしている。 屋敷の中に明かりはなく、銘々手に持った燭台の明かりが、あちこちで揺れている。そこかしこから囁き声や、密やかな笑い声が聞こえてくる。 アメリアは怯えた様子で、近くで談笑していた少女A・Bに声をかける。 アメリア「ねえ、もう帰りましょうよ。」 少女A「いやよ。一人で帰ったら?」 少女Aが
https://note.com/clam_and_mirage/n/n153c8fd5beff