瑞々しく熟れた桃_サガン『愛という名の孤独』ほか|i
フランソワーズ・サガンと江國香織が好きだ。 パリと東京に生きる女流作家の共通点は、孤独だと思う。ふたりの血脈には孤独が流れている。 最近、サガンの『愛という名の孤独』と江國香織の『がらくた』を読んだ。 『がらくた』の文庫本の跋文に嶽本野ばらが寄せた、「十五歳のボーン・トゥー・ビィ」の文章は、綺麗に剥けた滑らかな桃のように、心地の良いものだった。 「江國香織は普通なら少女の世界と対立したものとして提示すべき大人の世界とほうを否定せず─無論、肯定もせず─少女の前に置くのです。反抗して成長していく古めかしい弁証法はもはや成立していないというこの独自性はとても刺激的です」p3
https://note.com/eauuy/n/n6c2bac4c0676