「結婚」「妊娠」ミュート中。アラサー、友だちの幸せ報告を喜べない問題。 ｜CORE

 気付いたら、アラサーになっていた。<br><br>25歳が言う「アラサーになっちゃった」とは全然違い、言葉どおりガチの30歳である。30歳になったときの率直な感想は、「何だ、こんなもんか」というあっさりとしたものだった。いきなりお肌の曲がり角を迎えるわけでもなく、身体が不調を訴えるわけでもなく、ライフステージが変化するわけでもない。なぁんだ、アラサーって意外と若いじゃん！<br><br>むしろ当時は「結婚しようよ」と言ってくれる彼氏に対して、「わたしはまだいっかな」と言ってのける余裕すらあった。結婚の決め手もよくわからなかったし、周囲はひとりで仕事をバリバリしている人が多かったし、わたしにはやりたいことがたくさんあったのだ。たくさん海外旅行に行きたい。新しい事業を立ち上げたい。推し活を楽しみたい。<br><br>そんなもんだから、ふらふらと20代と何ら変わらぬ日々を送っていた。仕事をして、旅をして、カラオケに行って、映画を観に行って、推しのライブに参戦して。何にも縛られない自由な毎日。<br><br>それで十分幸せだった。わたしはあのとき、完璧に幸せだったのだ。