「まるで映画」「こわい俳優さんや」最終話直前の【NHK土曜ドラマ】実力派俳優が“圧巻の芝居”で体現した“弱さの美学” | TRILL【トリル】
NHKドラマ『母の待つ里』第3話は、物語の核である“母の待つ村”に、また新たに孤独な訪問者が現れる回だった。舞台は東北。東京で居場所をなくした者たちが、幻想のように存在する“母の待つ里”を訪れ、そこで失われた母性に包まれる。本作は浅田次郎の小説を原作にしており、ファンタジーと人間ドラマの境界を巧みに行き来する寓話だ。第3話の主人公は、佐々木蔵之介演じる室田精一。定年退職直後に妻から離婚を告げられ、居場所をなくした男である。序盤で描かれる彼の姿は、現実的すぎるほどに滑稽で、同時に痛々しい。だが“母の待つ里”で母・ちよ(宮本信子)と出会った瞬間、彼のなかに眠っていた“弱さ”が姿を現す。
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