【ライブレポート】NEWS、「新しい自分に変身して一生懸命生きてこうぜ!」
今年結成23年目に突入したNEWS。最新アルバムでは“変身”をテーマに掲げ、NEWSとリスナーの変身体験をテーマに、様々なアプローチで表現している。 そんなアルバムを掲げ、声優・山寺宏一のナレーションによる3篇の「講義」とアルバム楽曲を軸に構成された<NEWS LIVE TOUR 2025 変身>ツアーは、8月9日を皮切りに10月22日まで、全国8都市19公演を回る。 セットや衣装、楽曲が様々に表情を変え、超特大エンターテインメントに仕上がっている本ツアー。NEWSと観客が一体となって“変身”を遂げる唯一無二のライブ空間となっている。本項では、7都市目の神奈川・横浜アリーナ公演最終日10月9日の様子をお届けする。 ◆ ◆ ◆ 開演数分前から、おなじみのNEWSコールが客席から沸き上がる。それと同時にペンライトも輝き始め、手拍子も徐々に大きくなるにつれ会場BGMの音量も上がっていき、そのまま「変身-Prologue-」が流れだす。 そのままステージが照らされ、NEWSメンバーの“変身”という掛け声が聞こえるやいなやステージ下から3人が「変身」を歌いながらゆっくりと登場。フリルシャツにゴールドスタッズのキラキラ黒ジャケットを合わせた貴公子のような衣装もまぶしい。 サビを歌い終えると、まずは小山が丁寧に歌い出し、加藤が見事なラップをかまし、増田は低く深い声で歌い継ぐ。開始早々3人とも声量がすさまじく、ライブが始まる意気込みを感じた。 さらにパフォーマンスに合わせてまっさらな状態だったステージがバルーン装飾で豪華絢爛なお城に変身。この演出は増田が長年温めていた構想だそうだ。大きな旗を振りながら、6人のジュニア、渡辺惟良・上原剣心・高橋奏琉・小山十輝・小久保向一朗・岡橋亮汰もお城の護衛のように登場。ジュニアがバックにつくのは2021年開催の<NEWS LIVE TOUR 2020 STORY>以来4年ぶりとのことで、NEWSからジュニアへのバトンをつなぐ事務所伝統の特別な空間にもなっている。 続けてライブの定番曲「チャンカパーナ/Chankapana」に突入。英語と日本語で歌う本人たちもとにかく楽しそうな表情を見せており、何度も披露している楽曲だからこその磨き込まれた輝きを感じた。 その勢いのまま、フェス出演でも定番の楽曲をガンガンと畳みかけていく。気持ちのいいゴリゴリのバンドサウンドや小山と加藤が肩を組む距離の近い姿、メンバーが両手で客席へ手を振りファンサービスをする姿に3人で肩を組ながら跳びはねる姿と、耳も目も楽しい空間となっていた。 「ドライアイス.zip」では様々な形のグッズポーチがくっついた衣装で、スモークの中パフォーマンス。PCの不具合が起きたときに飛び出すポップアップ画面がいくつも映像で流れ、その枠の1つにステージで歌っている3人の姿も映されており、歌詞と演出がリンクした演出となっていた。 「トップガン」では、銃を撃つ素振りをしながらウインクをきめる流石のスーパーアイドルな姿を披露し、ステージを移動。トロッコに乗って客席を回りながら、増田は身を乗り出してファンの方を見て歌い、加藤は大きく手を振りながらニコニコと巡り、小山は「一緒に踊るよ!」などと客席とコミュニケーションを取りながら三者三様のファンサービスをしていた。 MCでは小山が「会いたかったかー?」と問いかけた流れから、「メンズー!」「お姫ー!」と客席とコールアンドレスポンスを始める。小山が女子を“お姫”呼びしたことを発端に、加藤が「客席女子、『お姫ですけどなにか?』って顔してたけど大丈夫? 帰り道とか思い出して恥ずかしくならない? いいの?」と客席をいじり始める。続けて小山が適宜お水飲んで体調管理は各自で気を付けてと客席に伝えたあと、「NEWSも年齢層が上がってきましたからね。あ、皆さんのことじゃなくて我々のことです。そんな失礼なことは言いません!」と年齢の話をすると、加藤が「だってお姫だもんね!(笑)」と先ほどのネタを持ち出し、いじわるな顔で笑い始める。使える場面が出てくるたびに「だってお姫だもんね!(笑)」を持ち出しては不敵な笑みを浮かべる加藤だった。 さらに増田が事務所恒例カウントダウンコンサートで、その年の干支のコスプレをしていたという話題になり、干支のコスプレは増田の姿を先輩がいじってくれて初めて成立すると明かすも、現状NEWSが事務所内で一番年上のグループとなることから、いじってくれる先輩ではなく、いじってくれる後輩はいないのかという話へと展開する。すると増田は「キャラがかぶってるところで言えばJUMPの山田とかSnow Man目黒とかと並ぶ」「山田、目黒、俺で並んでもわかんないでしょ」と発言。小山からは「身長差で並べたら人間の進化図みたいになっちゃうよ(笑)」加藤からは「そんなこと言って悲しくならない?」などと鋭いツッコミが入る。しかし最後は小山が増田へ「まっすーは唯一無二ですよ」という愛のあるメッセージをかけていた。 MCを挟み、夜空に星が輝くような暗めカラーの上着にストーンがたくさんついたキラキラ衣装で登場した3人は、生きざまが刻まれているかのような歌声で強く「生きろ」をパフォーマンスしたかと思えば、増田貴久1stソロアルバム『喜怒哀楽』に加藤シゲアキが作詞提供した優しいテンポの楽曲「おやすみなさい」を全員で歌唱。小山×加藤が丁寧なハモりを披露し、増田がしっとりと歌いあげ、美しい表現で会場を魅了した。 ソロ曲では加藤が詩的な歌詞を、繭(Cocoon)からの変身という形に落とし込んで繊細に表現。変身シーンは儚げで印象的だった。 小山は“変身したい”というジュニア小山を“変身できるよ”と鼓舞し、2人でキレキレダンスを披露。MCでカメラが入っているとの告知があったことも手伝ってか、小山が驚くほどの大きな声での《CHOIYAMA》コールも巻き起こり、曲終わりにはジュニア小山も「小山で生まれてこれてめちゃくちゃよかった」と熱い想いを口にしていた。 増田は、歌詞に登場する《Black》《Silver》カラーのシンプルな衣装で登場し、自撮りカメラを動かし様々な角度から映しつつ、次々に衣装を重ね変身。アルバムコンセプトに沿ったそれぞれの姿を見ることができた。 小山の「ジュニアのみんなの未来に幸あれ」という後輩思いの温かい一言から、ジュニアだけでNEWS曲「希望~Yell~」のしゃかりきパフォーマンスを経て、ピンクスーツに着替えたNEWSが登場。イントロがかかるだけで歓声があがり、そのままのボルテージで盛り上がる楽曲が続く。炎に暗転、高速ラップと見どころも聴きどころも盛りだくさん。 「ごめんあそばせ」ではNEWSが華麗な和装に変身。豪華な赤×黒×ゴールドの着物姿で道中を闊歩し、キセルや手鏡、和笠を手に女性的な身のこなしで妖艶に歌い上げる姿は、何度でも観たくなる華やかさだった。 パフォーマンスがひと段落し暗転すると、第三講:「変身の行方」-Interlude-の“──あなたという星が灯ったことで、NEWSという星座はもう一度かたちを変えたのです 「その輝きが、世界のどこかで、誰かの希望とならんことを。」”というナレーションが流れ、客席のペンライトが、夜空にきらめく星たちのようにキラキラと輝きはじめる。気が付くとステージが四つ葉のクローバーやカラフルな花で装飾された、自然の芽吹きを感じるような装飾となっており、増田、加藤、小山とひとりひとり登場し思いをのせて「クローバー」を歌唱。 歌い終えると中心から大きな樹が生え、春の楽曲から冬の楽曲を経てライブの定番曲「U R not alone」がスタート。メンバーの決意が伝わるような熱のこもった全力の歌声と、それに応えるように大声で歌うファンの大合唱が巻き起こり、ファンが手にしたペンライトの揺れも今までより一層強く、両者の熱さに鳥肌が立った。歌い終えるとやり切った顔を見せていた3人の姿も良かった。 パフォーマンスを終えると、スタッフやメンバー、ジュニアに観客へ感謝を伝え、小山・増田・加藤からファンへ向け改めて挨拶の言葉も。 小山「NEWSは22歳になりました。今まで色々な変化や変わることありましたが、ゆるぎなく変わってないことはこの3人は船を降りていないこと。NEWSの船はこれからもこの先ずっとみなさんと一緒にオールを漕いで進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか?」「そしてもうひとつ。この事務所の伝統。“ジュニアが先輩に憧れる”ということを守っていけるように僕らも頑張ります。ジュニアの応援、後輩の応援もどうかよろしくお願いします!」 増田「みんなのためNEWSのため俺のために、今日は普通にスーパーアイドルでした」「『クローバー』という曲は『希望~Yell~』のトラックを使って詩を書いた曲だからこの曲も『変身』じゃん。ツアーにぴったりなのかなって思ってます。ここが自分の居場所なんだなってファンのみんなが思ってくれたらうれしいです。いつでもここに戻ってきてください。またここで会えるよね? 最高の時間をありがとうございましたー!」 加藤「NEWSは22周年を迎えてまだまだ変身していくぞっていう思いを込めたライブだったんですが、多くのファンのみなさんに届けることができてほんとに嬉しく思っています。だからこれからもずっとついてきてください…」 と述べたと思うと、恒例のまばたきができるおもちゃメガネをつけた加藤は「急にドラマが始まって急にバラエティーが始まって舞台のクリエイティブも脚本も小節も書いてついつい疲れが出てきちゃったりして…」といいながらメガネのまぶたを閉じて寝始めたり、増田から話題に上がった倖田來未に絡んだり。 そして「一生懸命生きてるからみんなが応援してくれる。俺はみんなの推しだけどみんなは俺の推しだから、これ全部が“推し活”! 新しい自分に変身して一生懸命生きてこうぜ!」と言ったあと、加藤の挨拶恒例の労働コールで締めくくった。 3人が挨拶を終え、「僕たちの名前は『NEWS』!」といつもの掛け声で締め、ラストに“変身”というテーマを通じてありのままの“あなた”を肯定するメッセージが込められた楽曲「君のままで」を披露し、本公演が幕を閉じた。 “変身”がテーマとあって、サイコロの面のようにコロコロ表情を変えるNEWSを存分に堪能できた<NEWS LIVE TOUR 2025 変身>ツアー横浜最終日。この先もずっと追いかけたいと思えた。MCで「25周年でドームをやりたい」と3人で語っていた夢もぜひ実現してほしい。 取材・文◎吉田 藍 関連リンク◆アルバム『変身』特設サイト◆NEWS オフィシャルサイト◆NEWS オフィシャルX◆NEWS オフィシャルYouTubeチャンネル◆NEWS オフィシャルTikTok
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