卒業研究として制作したこの冊子は、自ら準備・設営・撤去を行い、「令和3年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展」にて展示を行いました。
展示について考えた際、モラル・ハラスメントのネガティブなイメージがそのまま届いてしまっては、モラハラ自体への恐怖感や嫌悪感のみが伝わってしまったり、自分には関係の無い他人事としてしか捉えてもらえない可能性もあり、鑑賞者に真に伝わってほしいことや、この作品を通して考えて見てほしいという思いも伝わりづらいと感じました。
そのため、あえてオブラートに包み、鑑賞者の心に届く展示の形を目指しました。具体的には、優しさや柔らかさといったモラハラとは正反対のイメージを展示全体で感じられるものになるように、カーテンや暖色のライトを使うなどして、使用する素材や色、照明の当て方などで工夫を凝らしました。
↑学内の展示風景
同展示場所に置いた研究レポートは、作品の冊子同様温かみを感じられるデザインにしたいと思い、糸を使った手製本の形で作るなど、どちらもこだわりを持って、最後まで丁寧に心を込めて制作しました。
↑展示場所に設置した研究レポートと感想ノート
この作品制作で、何度も挫けそうになりながらも全力で頑張り続けた日々は、今も私の自信と誇りとなって胸に刻まれています。まだ未熟な、今の私で挑戦したからこそ得ることができた、かけがえのない経験になりました。
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