【小説】監視の館|舟崎泉美|note
人々はどこへ向かうのだろう。その先に何があるのだろう。 西暦2018年。早朝のスクランブル交差点は、今日も人であふれていた。巨大なディスプレイには、笑顔でニュースを読む女性キャスターが映し出されている。 「史上初、人工知能のHALが世界的権威のある、ニュートン科学賞を受賞しました! これは新しい歴史のはじまりです。人工知能が人間を超える時代が訪れるかもしれませんね」 交差点の真ん中に立つ少年は、新たな時代の幕開けをただ茫然とながめていた。そして、彼の隣には、彼に腕をからませ笑顔で彼を見つめる一人の少女がいた。 突如、目を覚ました俺は古びた洋館の前に立っていた。周囲は、鬱
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