【小説】性格整形|舟崎泉美|note
「これじゃ、視聴者に伝わらないだろ!」 「私の脚本ちゃんと読めてますか? 太田さんが理解できなくても、視聴者は理解できてますから」 会議室ではプロデューサーの太田と、新人脚本家の朱莉が言い争っていた。 二人の激しいやりとりは今にはじまったことではない。 朱莉と太田がドラマを作りはじめたのは、今から約半年ほど前のことだ。それから何度も何度も打ち合わせを重ね、ようやく脚本を作りはじめたのは一か月ほど前のこと。しかし、それからというもの二人の争いは収まる様子を見せず、延々と議論は続いていた。 「新人なんだから、黙ってプロデューサーの言うこと聞け!」 「私は自分の書きたいものを曲げてま
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