【小説】みんな見てる。|舟崎泉美|note
矢島綾は、孤独を感じていた。 それは、妻子ある男性との恋に溺れていたからだ。 綾は、仕事で知り合った一回り年上の水野尊と、一年前に恋に落ちた。 それ以来、綾は水野への一途な愛を貫き通していた。しかし、水野は口では「愛している」と言っても、妻と別れるつもりはなく、来年小学校に入る子どもにも溢れんばかりの愛情を注ぎ続けていた。どれだけ彼を好きでも、彼との愛に未来は見えない。そうと感じた綾は、日々、満たされない思いを抱えていた。 親しい友人にのみ、水野との情事を打ち明けた綾だが、どれだけ距離が近い友人でも、不倫の恋には冷たかった。 友人たちは、良かれと思い、綾に対して強
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