隣のキャバクラのボーイに片想いしていたときのはなし|新入社員まゆ子|note
以前好きだった人のことを、何かにつけふと思い出す。 恋が実らなかった場合は特に、人は片想いの相手を忘れられない。 実際に付き合っていた男の方が何倍もの時間と労力を費やしたはずなのに、記憶の奥底に蔓延るのはいつも手に入らなかったものばかりで、人の心はどうしたって皮肉なものだ。 しかし、一方的に想い続けるだけの自己中心的で独りぼっちな恋にも、最初で最後の唯一幸せな思い出があった。 出会い 初めて彼に会ったとき、なんて格好良い人なのだろうと思った。背が高くて、足が長くて、骨張った手の甲から伸びた指が長くて綺麗で、ライトグレーのスーツが良く似合っていて。 小さい顔につい
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