【創作大賞2023 イラストストーリー部門応募作】You don't deserve me.【後編】|燦月夜宵
6.超能力 アリスが指定した教室は、昨日窓ガラスが割られた場所に一番近い教室の真上にある。空き教室は教職で管理しており、黛が棚から持って行っても不審に思われなかった。 ひとけが無くとも、呼び出されないように手は回した。万が一に備えて辻間に干渉妨害も頼んである。適当な椅子に座り、アリスは持っていた紙袋を机上に置いた。 滝本は来るか。その点はさほど心配していない。アリスが見せた異能を、彼女もまた興味を持ってくれた。超能力者との遭遇は寒心や畏縮が付き物だとしても、あの目には好奇もあった。知りたい欲求が少女の足を進ませてくれるだろう。 指定した時間になる。引き戸が遠慮がちに開かれた。
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