イケメンJリーガーを毎日8時間まとめつづけた春の話
岡田 悠<第1回> - MIMOSA MAGAZINE(ミモザマガジン)
新卒で入った会社を、10ヶ月で辞めた。
勤務時間は朝9時から翌朝5時まで。休日すらなく、もはや人間の生活ではない。半年も経たないうちに、心も身体も弱りきってしまったのだ。
無職になった僕は、オフィス街から逃げるようにして、高円寺駅から徒歩15分のアパートに引っ越した。高円寺という寛大な街なら、激務で心身とも傷ついた僕でも、優しく受け入れてくれると思った。
街の懐に甘えるように、引っ越してからはずっと寝ていた。起きていたのは食事とトイレと、趣味のJリーグをテレビで見る時くらいだったろうか。貯金が尽きるまでは、自堕落の底の底に寝そべろうと思った。北風でみしみし揺れる築40年のアパートに、じっと篭り続けた。
そうやって3ヶ月くらい寝ていたら、段々と体調はよくなってきた。リハビリのために近所の散歩を始めると、外はすっかり春だった。
ノートPCをリュックにつめて家を出て、有名な「純情商店街」じ...
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