座敷わらしの標/井之上みこと
稲本 陸の親友・三科 優斗の家には、座敷わらしが出る。
そのお陰で三科家には莫大な財産があり、男系血族全員が同じ敷地内に住み、働かないまま裕福に暮らしているという現実離れした話に、学生作家を志す陸は好奇心を刺激されていた。
優斗から誘われ、陸は夏休み、三科家本宅で二週間滞在することになる。しかしそこで目にしたのは、ギスギスとした人間関係と、三科家所有の山に不法投棄されていたという、刻銘のない墓石だった。
優斗の大叔父であり三科家当主でもある清に誘導されてこの墓を埋めることになった陸だが、その直前直後から、身の回りにおかしなことが起き始める。
※表紙写真は写真ACより、ぎゃーとるさんの「日本人形」を加工して使用しています
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