【短編小説】カンパネルラと、|津田
「では、今日はここまでです。配ったプリントが宿題なので、明日の朝までに係の人に提出してください。それとずっと言ってるけど、月曜に漢字のテストをするから今のうちに復習しといてね。じゃあ、委員長さん号令」 「きりつ」 かんなのクラスの委員長の声は小さい。いつも、決まりが悪いときに言い訳をするみたいな声で号令を掛ける。それは号令とは言わないんじゃないのとかんなはいつも思うけれど、一学期のはじめに手を挙げたのが委員長以外にいなかったものだから仕方がない。椅子を引いて立ち上がって、やっぱり言い訳をしているみたいな声の「れい」でかんなは頭を下げた。 「銀河鉄道の夜、いつまでやるんだろうなぁ」
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