アンプリファイドされない《個人》──No Buses『NB2』(3,500字)|しろみけさん
ある年代の、個人に紐づいた記憶を探る時、最も有効なのは固有名詞の再配置ではなく、特定の《手触り》を共時的に再現することだと常々考えている。特に音楽の場合、《手触り》はハイファイ/ローファイとかウェット/ドライとかの要素に還元されて表現される場合が多い。最近書いたコペンハーゲンの音楽シーンに関するレビューでも、サウンドテクスチャーの方面からエレクトロニカ〜インディーロック〜ポップスという多領域で刷新が行われた直近10年の動きをまとめるところから論を走らせた。 いっそのこと、コンテクストは一旦忘れてしまおう。それよりも「これを聞いた人はこれも聞いています」といったフィーリング主導のリス
https://note.com/ky_spy2000/n/n46828f87ee7e