わたしの帰る場所|ふらにー|note
そのお店のドアをはじめて開けたのは3年前、まだすこし肌寒い3月の初旬だった。 足を踏み入れた理由はものすごく単純で、「近所に行きつけのお店がほしかったから」。 家から近くて雰囲気のよさそうな、ひとりでも入りやすそうなバーを食べログで探した。 この町に引っ越してきて、まだ4日目だった。 はじめてのお店に入るのはいつだって緊張する。 月曜日の早い時間ならお客さんも少なくてアウェイになりにくいだろうと踏んで、仕事帰りに意を決して飛び込んだ。 プレハブ小屋のような小さな建物の入り口に、「立ち呑み」と書かれた提灯がぶら下がっている。 引き戸をガラガラと開けると、カウンターの向こうに立ってい
https://note.com/sbbwwzf/n/n726071ae86e1