【アルゼンチン短編】靴下売りの少年と夢のチョコレート|奥川駿平🇦🇷|note
「事実は小説よりも奇なり」、これは2015年にアルゼンチンへ移住した作者が、現地での生活や人々との触れあいから得た経験をもとに執筆した短編です。今作のテーマは「靴下売りの少年」。どうぞお楽しみください。 想像してみてほしい。夏の朝、たっぷりの朝日が身体を優しく包み込み、爽やかなそよ風に愛撫されて目覚めるところを。素晴らしい一日の始まりではないか。 だが、セバスチャンにとっては憂鬱以外のなんでもなかった。どんな一日の始まりでも、セバスチャンは目を覚ますだけで憂鬱だった。辛い日々を送るくらいなら、ずっと夢の中で生きていたかったのだ。 セバスチャンは6歳の痩せ細った少年である。大人
https://note.com/im_japone/n/n0b6020f5da80