「『ナニジン?』と迫る線引きの暴力性を超え、より開かれた『わたし』に出会う」温又柔さん『真ん中の子どもたち』|Yumi Morikawa|note
温又柔さんの中編小説『真ん中の子どもたち』、再読。 本作は2017年に第157回芥川賞候補作となり、選評委員の宮本輝さんの発言が物議を交わしたことでも話題になった(「日本人の読み手にとっては対岸の火事」「他人事を延々と読まされて退屈」など)。宮本輝さんの作品が好きで長年読みつづけてきただけに、
あまりの発言内容が信じられず、ものすごくショックを受けたのを覚えている。 『真ん中の子どもたち』の主人公ミーミーこと琴子は、日本人の父と台湾人の母をもち、日本で生まれ育つ。中国語を学ぶため、彼女が上海に向かうところからこの物語は始まる。 著者の温又柔さんは、台湾生まれ。3歳のときに家族
https://note.com/moriyumi0721/n/nc11a3557cdc5