日本発グローバルスタンダードは、“介護”から──「複雑×長期×規制」極まる社会課題。ユナイテッド × KAERU / CareFranはどう挑む? | FastGrow
「お金を持たないで!」──認知症と診断された当日から、多くの人がこの言葉を家族から告げられる。財布を預けられ、買い物の自由を失う。認知機能の衰えは段階的なのに、診断された瞬間から生活が一変する。「お金、立て替えてくれますか?」──ケアマネジャーが耳にする、もどかしい言葉だ。銀行の暗証番号を忘れ、必要なお金も下ろせない高齢者を前にすると本来は業務範囲外だが、困りごとを放っておけない。日本の介護現場を苦しめるこうした課題は、2024年時点で高齢者人口割合が29.7%と世界で最も高いことも起因している。やがて同じ悩みを抱えることになるであろう世界共通の問題になっていく可能性が高い。そこで立ち上がったのが、LINE Pay出身で認知機能の低下に悩む方でも安心して利用できるキャッシュレスサービスを手がけるKAERUの岡田知拓氏と、介護業界のDXに挑むCareFranの久保田洋介氏。そして、この2社に投資を決断したのが、ユナイテッドの八重樫郁哉氏だ。「ステークホルダーが多く、デジタル化の難度が高い介護領域。これまで抜本的な改革がなかなか進まなかった領域だからこそ、チャンスがある」と、3名は口をそろえる。取材を通じて見えてきたのは、超高齢社会で人々が最期まで幸福に生きるために必要なインフラとしての介護のあり方。そして、そのインフラづくりに挑む起業家たちと、ユナイテッドの使命感と意志だった。
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