カスタマーサポートはコストじゃない、成長エンジンだ──AI変革で待ったなしの3.1兆円市場で、エンプラAIXの旗手を目指すRightTouchの野望 | FastGrow
生成AIにより、大きく時代はシフトしてきている。DXという旗を掲げ、多くの企業が業務ごとのSaaSやツールを導入し、「ポイントソリューション(特定の課題に対応した専門的なソリューション)」による効率化を図ってきた。しかし、データの分断やシステム間連携の複雑さから、生産性向上や新たなビジネス創出といった実質的な効果を得られていない例も少なくない。そして今、生成AIの波が押し寄せている中でも同じ轍を踏まないためには、個別のツール導入にとどまらない思考と実践が必要だ。ワークフローやデータを包括的に捉え、現場と顧客双方の体験を向上させる具体的なアプローチが求められる。そこで注目したいのが、AIとデータでカスタマーサポートを変革しようとしている株式会社RightTouch(以下、RightTouch)の挑戦だ。カスタマーサポートといえば、「コールセンターが一括で、クレームを含めた問い合わせに対応する」という運用が一般的だ。そのためか、“コストセンター”というイメージが根強い。さらに、「電話がつながらない」「たらい回しにされる」といった顧客の不満に加え、グッドマンの法則によると96%の顧客が問い合わせすらしない(サイレントカスタマー)という深刻な課題もある。「仕方がなく発生してしまうコスト」として現状維持が続く中、“負の体験”が積み重なり、顧客がサービスから離れていく一因となっていることも多い。もちろん、中にはコールセンター変革に取り組む企業もいた。だが、課題を解決しようにも一筋縄ではいかないイシューが多く、その道のりは地味で地道。派手さもなく“企業を成長させる領域”には思えないだろう。とはいえ、日本のカスタマーサポート市場は、実は約3.1兆円の巨大市場だ。この潜在力の高い市場において、RightTouchはAIとデータの力で顧客体験を根本から再定義しようとし、着実に変革と事業成長という成果を積み上げ始めている。2021年に株式会社プレイドのグループ会社として誕生し、創業3年半で急成長を続ける同社。2025年4月にはシリーズAラウンドにて総額8億円の資金調達を発表した。グローバル・ブレイン株式会社をリードとし、GMO VenturePartners株式会社(以下、GMO VP)など多数の投資家からもアツい視線を注がれている注目のスタートアップである。読者の皆は今、こう考えていることだろう。「変革なんて本当に起こせるのか?」「プレイドの子会社だし、RightTouchだけでやるんじゃないでしょ?」──。そんな疑問に答えるべく、FastGrow編集部が同社を徹底的にリサーチし、解剖した。その全容を余すことなくお伝えする。
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